36日目:チベット博物館
今日はチベット博物館へ。
50年代にダライラマをはじめ多くのチベット人が亡命を選んだ経緯や、中国によるチベットへの圧政・文革、それらの悲惨さが詳しく解説されている。
文化的統制を名目とする文化大革命により、チベット文化は破壊され、中国的教育の普及、計画的な漢民族の移住、チベット人と漢民族との間の不平等な処遇などにより、チベットはマイノリティーの道を突き進んでいる。
そこには50年代の中国の外交政策 - 領土拡大によるインドへの圧力、民主主義の牽制 - が見え隠れする。
迫害を逃れ、ヒマラヤ山系とネパールを越えてインドに辿り着いたチベット人たちは、北方のダラムサラに亡命の拠点を築いた。
ここでは迫害は存在しない。レストラン、宿、果てはバスの車内にまでダライラマの肖像がかかげられ、街にはチベット僧が行き交う。「亡命」拠点ではあるものの、少なくとも街を歩いていて悲壮感は感じられない。平和でのどかな空気が流れている。
かつて東西2,000km以上の面積を有し、2000年以上の歴史を誇ったチベットは、いまや自治区として中国に吸収された。
チベットの街には中国警備隊がのさばり、ダライラマの肖像をかかげることは禁じられている。
6月に中国に行く際、チベットも訪れる予定だ。