17日目:カーリーガート寺院
今日はカーリーガート寺院へ。
カーリーガートは写真撮影禁止で、靴も脱がなければならないので、手ぶら+サンダルで行動した。
サンタナゲストハウス近くのバス停から「45B」のバスに乗車してカーリーガートへ。
コルカタはおそらくインドで一番乗り物の種類が多い。
リクシャー、バス、タクシーはもちろん、地下鉄、鉄道、トラム(路面電車)まである。
バスはバンコクのバスとシステムが似ていて、バス停に自分が乗りたい番号のバスが来たら飛び乗り、行先を伝えて運賃を支払う。
バスは完全には停止しないことが多いので、低速走行中に乗り降りする。
運賃は距離制で、高くても10ルピー。今回は8ルピーだった。
バス停から降りて10分ほど歩くとカーリーガートが見えた。
カーリーガート寺院は、ヒンドゥーの神カーリーを祀る寺院。
カーリーは殺戮と破壊の象徴で、血を好むとされる。
そしてこの寺院ではカーリーに血を捧げるため、毎日ヤギが生贄にされている。
境内に入りまず中央の本堂に行くと、参拝にきたヒンドゥー教徒たちでごった返していた。
本堂にはカーリーを祀る黒い石があり、教徒はそこに赤い花を投げ入れ、そして壁に頭をつけて熱心に祈りをささげる。
インドに来た初日、コルカタの街を見て衝撃を受け、ここでもまた衝撃を受けた。
満員電車さながらの人混みの中で祈る信者たち。’信仰’のエネルギー・熱を感じた瞬間だった。
本堂の隣りにある、黒い石でつくられた建物の中で、ヤギが生贄に捧げられる。
建物に入る前にヤギの寄進者たちが、ヤギになにやらヒンドゥーのお経のようなものを唱え、ヤギを清める。
そのあと建物内にヤギを連れていき、ついに生贄がはじまる。
生贄の儀式を担当する男がヤギを持ち上げ、ギロチン台に固定する。
四足歩行のヤギの前足を背中側にねじ曲げて持ち上げるものだから、それまでおとなしかったヤギも必死でメェーメェー泣き叫ぶ。
太鼓がドンドコ鳴り響く。
一瞬だった。
ヤギを固定した次の瞬間、男が振り下ろしたナタでヤギの首は飛んでいった。
1分ほどだろうか。首が切られたヤギの胴体はバタバタとのたうちまわり、やがて静かになった。
男は切断したヤギの首を持ち上げ、したたり落ちる血をまわりのヒンドゥー教徒の眉間にぽつぽつと付け始めた。
前列で儀式を見ていた自分は思わず身を引いた。
少し恐怖を感じていた。
ヤギを生贄に捧げその血を付けることに対して、残酷とか気持ち悪いという感情ではなく、恐れを感じた。
そのあとヤギの胴体と首は別の場所に運ばれ、こう言ってはなんだけど見事に解体された。
ヤギの後足をヒモで縛って吊るし、さっきとは別の男がナイフ片手に解体していく。
まず皮をはぎ、前足を切断し、腹を開いて内臓を取り出す。
からっぽになった肋骨を取り出し、吊るしていた後足を切断すればもう何も残っていない。10分とかからずに解体は終わった。
屠殺台の上に少しだけ残っていた臓器の一部を、野良犬とカラスがついばんでいた。
カーリーガート寺院をあとにして、地下鉄でセントラル駅へ。
路面電車の軌道敷に沿ってまっすぐ20分くらい歩いて鉄道チケットの外国人専用窓口へ。
明後日4/11の夜行でガヤーへ行く鉄道のチケットを購入した。
けっこう人がいて、2時間くらい待たなければならなかった。
今日は暑かったなあ。40度あったっぽい。